インプラント治療でのGBRとは

「インプラントの治療をお願いすることになったけど、顎の骨が足りないからGBRという処置をすることになったのだけど…GBRって一体どんな手術なの?」

このように、インプラントの治療を希望される患者様で、お口の中や顎の骨の状態でGBRの治療を追加して、インプラント手術の際に一緒に行う方法を提案される方も多くいらっしゃいます。
ですが、インプラントの手術の説明を聞くのも初めての方や、手術の説明を聞いても緊張してしまってよくわからないことがあると思います。

今回は、インプラントの外科手術の際に一緒に行われる可能性がある『GBR』について詳しく解説していきます。

GBRについて解説

GBRとは、一体どのような治療なのでしょうか?
治療の内容や方法や治療の流れ、どのような方がGBRに適しているのかについて詳しく解説します。

GBRってどんな治療?

GBRとは、どのような治療なのでしょうか?
簡潔にお伝えすると、顎の骨が足りないところに顎の骨の再生を促す処置になります。
GBRは「Guided Bone Regeneration」の略称で、誘導骨再生法と言います。
インプラントの治療では、顎の骨がしっかりとしているところにインプラントを埋入していくのが治療の成功率を高める大きな要因です。
ですが、歯を失った顎の骨は良い状態ではない場合があります。
歯周病や、歯の根が折れてしまい顎の骨が部分的に欠損している状態や、高さや厚みが足りないことも患者様のお口の状態や過去の治療の経験などから大きく変わってきます。
インプラントを埋入する顎の骨の状態を最善の状態にするべく、GBRという方法を用いて顎の骨が足りないところに人工骨や顎の骨が再生することを促す薬剤を注入する方法になります。

GBRの手術の流れ

GBRの手術の流れを簡潔にお伝えします。

1. カウンセリングと診断

患者様の口腔内を詳しく検査し、X線や歯科用CTスキャンを使って骨の量や質を評価します。治療計画を立てて、患者様に手術の必要性や、流れなどをお伝えしてそれによる効果や期待される結果について分かりやすくご説明いたします。
ここで、わからないことやご不安なことがあればなんでもご相談ください。

2. 麻酔と手術部位の準備

局所麻酔を用いて手術部位に痛みを感じさせないよう感覚を麻痺させます。
必要に応じて、患者様のお身体の状態や手術の範囲に応じて、静脈内鎮静法をおすすめさせていただくこともあります。そうすることで、手術の最中はフワフワと半分眠っているようなリラックスした状態で受けていただくことが可能になります。

3. 切開と露出

歯肉を切開し、治療が必要な骨の領域を露出させます。これにより、骨再生を行うための作業スペースを確保します。

4. 骨再生材料の配置

顎の骨の欠損部に骨移植材料(自己骨、合成骨置換材など)を配置します。この材料は、新しい骨の成長を促進する役割を果たします。

5. バリアメンブレンの使用

骨移植材料の上にバリアメンブレンを配置します。このメンブレンは、骨の再生を促すために軟組織の侵入を防ぎ、骨組織の成長を促します。このメンブレンを置いておかないと、傷口が治る際に軟組織の歯肉などが入り込んでしまい、十分に骨の回復を見込めなくなってしまうからです。このメンブレンはとても大切な働きを担っています。

6. 創部の閉鎖

歯肉を元の位置に戻し、縫合して傷口を閉じます。これにより、治療部位が保護され、治癒が始まります。この際に、歯肉がそのほかの粘膜を引っ張ってしまわないように張りすぎないようにする工夫も行われます。そうすることで、傷口の治りや歯肉の見た目や機能も問題なく良い状態で回復することが見込めます。

7. 回復期間

手術後、数週間から数ヶ月の回復期間が必要です。この間に治療した顎の骨が成長し、移植された骨材料と自然な骨が結合されていきます。

8. フォローアップと評価

定期的なフォローアップで治療部位の回復を経過観察し、骨の成長と骨の結合の状態を評価します。骨が十分に再生されて状態が安定するまでしっかりとサポートします。

どのような方がGBRに適しているのか?

1. 骨量が不足している人

歯を抜いた後や歯周病などにより、インプラントを支持するのに十分な骨量がない人。

2. インプラント治療を検討している人

歯を失った部分にインプラントを埋め込む予定だが、現在の骨量ではサポートが不十分な場合。

3. 歯周病による骨の損失がある人

進行した歯周病により骨が失われ、再生が必要な人。

4. 美容的、機能的な理由で骨の再建が必要な人

歯並びの改善や、咬合(かみ合わせ)の機能回復を目的として、骨の形状や量を改善したい人。

5. 骨の欠損が小~中程度の人

GBRは一定の範囲の骨欠損に対して有効ですが、非常に大きな欠損には他の方法(例:骨移植手術)が必要な場合があります。

6. 全身状態が良好で手術が可能な人

GBR手術を受けるためには、全身状態が安定している必要があります。慢性的な健康問題や、手術に影響を与える可能性のある状態がないことが望ましいです。

最後に

当院ではインプラント治療に特化して治療を行っております。インプラント治療やインプラント治療に関わる治療に関してはぜひ当院へご相談ください。